震災からの復興へ懸命な努力が続く東北。渋井氏は3月21日から27日にかけて、宮城・福島を取材。被災者の方々の声を聞いた。
■宮城県亘理町(3月21日)
―津波で壊滅的な被害を受けた宮城県亘理町。現場にはさまざまなものが散乱していた。(写真)
●散乱した家の中を整理していた人の話
――ここは事務所ですか?
そうです。外はしっかりしているんですけどね。中は見る影もなく、この通りです。去年、家の外側を全部きれいにしたところだったんですけどね。
●車を探しに来た夫婦の話
妻「当時は映画から帰ってきて、お茶飲もうと思ったら「ガタガタガタ」ってすごい地震が来て、ただごとではないと思って「避難しよう」と」
夫「車に荷物を積んで、荒浜中学校が避難場所だから、そこへ逃げたんですよ」
――津波警報があって?
妻「警報はよくわかんなかったね」
夫「地震があってから津波警報も聞こえなかったな」
妻「電気切れたんじゃないの。その辺はよくわかんないけど」
妻「(大地震の)2日前に地震が来たのよ。その時に荷物を3つくらいにまとめて置いておいたのを、1週間くらいそのままにしておこうと思っていたから、(地震後に)ぱっぱっぱとそれに毛布を2枚足して車の後ろに積んだの。だけど(津波が)あっという間に来たから、車ごと荷物が流された」
妻「(避難所では)1日目は飲まず食わずで、毛布もなくて、床に薄い敷物が敷いてあって、学校のカーテンを取って、2人で(毛布代わりに使った)。電気はつかないから真っ暗だしね。」
取材・撮影:渋井哲也
《NewsCafeコラム》
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