歌手の浜崎あゆみが、オーストリア人のモデル・俳優のマニュエル・シュワルツと結婚したということが、新年から話題になりました。
2010年の大晦日、NHK番組の「紅白歌合戦」でウェディングドレスを身につけていました。
それがファンらへの「結婚」のメッセージだったのか、翌日の元旦にはラスベガスで結婚式をしました。
私が、浜崎あゆみに関心を持ったのは2000年頃でした。
当時、私はよく、「生きづらさ」をテーマにしたオフ会(オフライン・ミーティングとも言う。インターネットで知り合った者同士が実際に出会う会合)を開いていました。
集まって来ていた女子高生や女子大生の中に、浜崎あゆみが好きな人、カラオケで歌う人が多かったのです。
たしかに、浜崎あゆみは当時の女子高生や女子大生に支持されていました。
ファッションリーダーとしても人気があり、「女子高生のカリスマ」と呼ばれたこともありました。
ただ、「生きづらさ」との関連で私が興味を持ったのは、いわゆる「絶望三部作」と呼ばれる楽曲を発表したためです。
「絶望三部作」というのは「vogue」「Far away」「SEASONS」のことを指します。作詞は浜崎あゆみ自身です。
なぜ、この三曲が「絶望」なのか。
「みんなに宛てた遺書みたいな気持ちで作った」とも言われています。
古い自分を捨てて、新しい自分を探す行為でもあったようです。ちょうど20世紀から21世紀への変わり目でもありました。
たとえば「vogue」の中には、
「君を咲き誇ろう/美しく花開いた/その後はただ静かに/散っていくから」
という詩が入っています。失恋を取り上げているように思えます。
恋を諦めた結果、「静かに散る」。
あなたの前から去って行く、との意味にも取れますが、「散る」という言葉に、「消える」という意味を感じ取った人もいたようです。
「SEASONS」では、
「繰り返してく/毎日に少し/物足りなさを/感じながら」
とあります。そして
「今日がとても/悲しくて/明日もしも/泣いていても/そんな日々も/あったねと/笑える日が/来るだろう」
とあります。平坦と続く日常の中で悲しい事がありすぎる。
当時取材していた若者たちの心にヒットする歌詞だったのだろうと思います。
「絶望三部作」以外でも…(続く)
《NewsCafeコラム》
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