出会い系サイト殺人事件 「彼女に頼まれて包丁で刺した」 | NewsCafe

出会い系サイト殺人事件 「彼女に頼まれて包丁で刺した」

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見知らぬ男女の出会いの場の一つに「出会い系サイト」があります。
最近では、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)がやソーシャル・ゲームも登場して、ユーザーが減っている印象があります。たしかにそれらの結果として「出会い」を提供してくれます。
しかし、目的として「出会い」を掲げている「出会い系サイト」もまだユーザーのニーズを満たしています。

そんな出会い系サイトで殺人事件が起きました。逮捕されたのは19歳の少年。被害者は40代の女性。いったい、二人に何があったのかのでしょうか。

「彼女に頼まれて包丁で刺した」

10月17日午後0時25分ごろ、男性の声で110番通報がありました。東京都小平市小金井南町3の都立小金井公園で、近くに住む無職の入戸野敬子さん(44)が首と腹から血を流して倒れており、搬送先の病院で、約2時間後に死亡しました。小平署は近くにいた静岡県内に住む少年(19)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕しました。2人は3年ぐらい前に「出会い系サイト」で知り合い、交際していたといいます。入戸野さんは持病に悩んでいたようで、少年は「彼女を病気から救ってあげたかった」のです。また、入戸野さんから「病気でつらいので死にたい。殺してほしい」との何度も頼まれたと、供述しています。

「出会い系サイト」での出会いが、どうして事件に発展してしまうのでしょうか。
警察庁の統計では、「出会い系に関係した事件」は減少傾向にあります。最も多いのは「児童買春・児童ポルノ法違反」で、次いで「青少年健全育成条例違反」という、18歳未満を対象にしのもです。また、18歳未満の利用を禁じた「出会い系サイト規制法違反」という形式犯も多くなっています。こうしたこともあり、被害者の85%は18歳未満です。

そのうち「殺人」は、11年の上半期では1件(関連事件の中での割合は0.002%)で、10年の上半期と同数(同0.001%)。ただ年間を通じて4件(同0.003%)ありました。また9年は3件(同0.002%)、8年は2件(同0.001%)、7年は0件(同0%)、6年は3件(同0.001%)でした。全体として減少傾向にある中で、殺人事件の占める割合はほとんど変化していません。

同様の事件はいつごろからあるのでしょうか。最初は2001年1月です。栃木県宇都宮市の男子高校生(当時18)が埼玉県岩槻市(現・さいたま市)の主婦(当時32)を刺し、重傷を負わせました。個人運営の出会い系サイトで知り合い、恋愛関係にありました。

実は、この事件と今回の事件は似ているのです。それは動機です。岩槻市の主婦が刺された事件でも「今日は死ぬつもり」と書き込んでいました。主婦の希死念虜の背景は、がんになった実母の介護疲れがありました。主婦はくも膜下出血で倒れ入院し、一年後に退院をし、リハビリを重ねていたのです。

今回の事件でも、入戸野さんが持病が辛かったことが言われています。2つの事件ともに、病気によるうつ傾向があったのです。
こうしたネガティブな心情を持った者同士を結び付けたものとしては、「ネット心中」もありました。24歳の女性が「出会い系サイト」で呼びかけ、50代の男性が求めに応じたのです。24歳の女性は家族関係で悩み、自殺を考えていたのです。

ネガティブな感情をネットの向こう側の人につぶやく第一の理由は、リアルな人間関係では、ノリや楽しさが重要視されてしまう傾向が強いように思います。そのため、暗さや悩みは持ち込みたくないのでしょう。第二は、ネットでは何でも気軽に言えることがあります。ネガティブな内容を書いた結果、必ず慰めてくれたり、話を聞いてくれる人が見つかるのです。第3に、共鳴してしまうことの背景に、自己関連づけのしやすさがあります。コミュニケーションをする時に、「自分だったらこうする」などの、自分と結びつけて考えることがありますが、心理学ではネガティブな情報ほど自己関連づけしやすいと言われています。

今回は事件に発展してしまいましたが、ネットの世界には「寂しさ」が渦巻いていることを忘れてはいけません。その「寂しさ」が事件に向くこともありますが、恋愛や結婚に向かう場合もあります。どちらに向くのかは偶然かもしれません。ただ、多くは殺人事件になる前に、ある程度、自浄作用が働くため、殺人事件の比率がほとんどないのでしょう。

[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://foomii.com/mobile/00022)を配信中]
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