カプコンは2025年11月29日、学生を対象としたゲーム制作コンペティション「CAPCOM GAMES COMPETITION」の授賞式を開催し、最優秀賞など全7賞の受賞作品を発表した。93チームの応募から選ばれた15チームが約半年間かけてゲームを開発し、HAL大阪のチーム・Critical Pathによる作品が最優秀賞に輝いた。 同コンペティションは、次世代のクリエイター育成と教育支援を目的に開催された。対象は、国内の大学や大学院、専門学校に在籍する18歳以上の学生チーム。今回は93チームから応募があり、選出された15チームが約半年間にわたりゲーム開発に取り組んだ。参加した学生たちは、プログラミングやグラフィック、サウンド設計などの役割を分担しながら、チームで制作を進めた。 制作期間中、カプコンは参加学生に対し、実践的なスキル習得を支援するべく、自社開発のゲームエンジン「RE ENGINE」の運用方法に関する講義などを実施した。「RE ENGINE」は、実写のような高い表現力と、スムーズな開発環境を実現した技術基盤。開発効率の大幅な向上と高品質なゲーム制作を両立し、グローバル市場で戦えるタイトルの創出を支えている。 審査は、オリジナル性、操作性、完成度、工夫点の4つの基準をもとに行われ、最優秀賞、優秀賞、特別賞、企業賞が選出された。最優秀賞を受賞したHAL大阪のチーム・Critical Pathによる作品「octΩpus」は、直感的にプレイできるゲーム性に加え、グラフィックやサウンド、演出などの完成度の高さが評価された。 そのほか、優秀賞はアミューズメントメディア総合学院のチーム・Neighborによる「Turret Valet」が受賞。特別賞には、北海道大学工学院のチーム北海道による「FLUENT」と、HAL東京のチーム・DiBiによる「ATEA:THE LOST SEEKER」の2作品が選ばれた。 また、協賛企業から贈られる企業賞として、日本工学院専門学校蒲田校のチーム・RE RAMENによる「BREAK RUNE」がインテル賞を受賞。最優秀賞の「octΩpus」はAWS賞とタートル・ビーチ賞を、優秀賞の「Turret Valet」はAutodesk賞をそれぞれ同時受賞した。 最優秀賞を受賞したチーム「Critical Path」代表の井岡真浩さんは、受賞に際して「メンバーが最高のものを作ってくれたおかげです。RE ENGINEは、デザイン班が作成した膨大なアセットをきれいに、しかも同時に大量に描画できる処理能力に驚きました」とコメントした。 また、カプコンの代表取締役社長 COOである辻本春弘氏は、「半年にわたる挑戦の末、情熱と創意工夫を注ぎ込んだ素晴らしい作品が集まり、ゲーム業界の未来を担う若き才能たちの可能性を強く感じる大会となりました。試行錯誤で培ったチームワークやプロ意識が、将来の大きな糧となることを願っています」とコメントを寄せた。カプコンは今後も、安全な環境でゲーム開発やその方法を学ぶ機会を提供し、教育機関の研究発展および優れた人材育成に貢献することで、ゲーム業界全体の活性化を目指すとしている。