【大学受験2025】私大「総合・推薦型」占有率57.4%に上昇 | NewsCafe

【大学受験2025】私大「総合・推薦型」占有率57.4%に上昇

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私立大学 入試方式別の入学者の割合の推移 (c) 2025 旺文社 教育情報センター
  • 私立大学 入試方式別の入学者の割合の推移 (c) 2025 旺文社 教育情報センター
  • 旺文社教育情報センター
 旺文社教育情報センターは2025年11月11日、2025年度私立大学入試分析をWebサイトに掲載した。私大入試は、一般選抜の志願者が増えたものの入学者に占める割合は低下。公募制や指定校制、付属校・系列校を含めた「総合型・推薦型」の入学者が全体の57.4%を占めた。

 旺文社の「入試結果調査(7月末)「大学の真の実力 情報公開BOOK」や文部科学省資料をおもなデータとしてまとめた入試分析。一般選抜には、共通テスト利用方式を含む。志願者数は延べ数。通信制は含まない。

 私立大学一般選抜の志願者数は、2019年度の389万人をピークに減少。2025年度は18歳人口の増加による受験生増、チャレンジ志向や大都市圏志向、共通テストの易化、受験料「併願割引」「定額制」増加などにより、増加に転じた。

 一般選抜志願者数の増減を大学の入学定員の規模別にみると、2024年度は入学定員2,000人を境に志願者の増減が分かれていたが、2025年度はその境界が1,000人に下がった。全体では増加したものの、小規模校では志願者獲得が厳しかった状況がうかがえる結果となっている。

 また、志願者全体の8割以上を占める上位100校について、翌年の増減を集計した結果によると、2025年度は71校で24万人増、減少した29校の減少幅も小幅となり、上位100校で21万人増となった。旺文社教育情報センターでは「一般選抜で志願者を『集められる大学が、より集めた』という構図がみえてくる」と分析している。

 入試改革前年でコロナ禍の影響を受けなかった2020年度と2025年度の一般選抜志願者数を大学別に比較した結果では、集計500校のうち志願者数減は426校。集計校の4割超にあたる208校は、志願者数が半数未満になっている。

 一般選抜志願者数の上位100校が占める割合は88.0%、上位30校が占める割合は59.4%。上位校の集中化が加速している。大学の本部所在地エリア別の志願者数の占有率では、三大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫)で90.4%を占めている。特に東京の大学が49.8%と突出している。

 一方、私立大学の入試方式別の入学者占有率をみると、2025年度は一般選抜37.8%、総合型選抜+公募制推薦28.2%、指定校推薦22.6%、付属校・系列校推薦6.6%。一般選抜で低下が続き、総合型・推薦型が上昇。「総合型+推薦型(公募制、指定校制、付属校・系列校)」の入学者は、全体の57.4%を占めた。中でも、入試時期の早い総合型志向の高まりがみられるという。

 2026年度入試からは、国が示す入試のガイドライン「選抜実施要項」により、一定の条件下で、教科・科目の学力検査を課す総合型・推薦型が正式に可能となり、首都圏で実施拡大される見通し。旺文社教育情報センターでは「今後は、一般選抜を中心に学生確保する大学、総合型・推薦型を併用する大学、募集は総合型・推薦型がメインとなる大学に分化が進み、私大入試の構図が大きく変化しそう」と考察している。
《奥山直美》

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