夏休みがはじまると、子どもの自由研究のテーマ選びに頭を悩ませる保護者も多いであろう。そこで、今回は身近な材料を使って簡単にできる科学実験を紹介する。牛乳からチーズやプラスチックを作ったり、洗剤のメカニズムを探ったりと、化学の楽しさを体験できる。また、色が温まる速さや冷めやすさを調べる物理実験や、寒天培地で微生物を育てる生物実験もおすすめである。さらに、イカの解剖を通じてヒトとの共通点を探る実験など、学びと発見がいっぱいである。親子で楽しみながら、科学の世界に触れる絶好の機会を提供する。これを参考にテーマを決めて、夏休みの宿題を早々に終わらせてしまおう。身近なモノで実験、身近なモノを調べる【化学】牛乳からチーズを作り、タンパク質の性質を調べる 家庭ですぐにできて成功したら食べられる「牛乳からチーズを作る」方法をご紹介。乳製品に含まれるタンパク質の性質を調べて学ぶことができる。【化学】牛乳からプラスチックを作ろう 牛乳で作る環境配慮型プラスチックの実験を提案。タンパク質の変化を観察しながら、化学と環境問題を同時に学べる。土に還る素材の可能性を探る、理科と環境学習が融合した実験だ。【化学】洗剤がよごれを落とすメカニズムを知る 水と油、コショウを使って浸透・乳化・分散の3つの力を観察し、界面活性剤の働きを探る。毛糸とプリペイドカードで汚れが落ちる瞬間も確認できる、中学生のための化学実験だ。【化学】美しい3層液体に学ぶ 溶媒・極性・比重 身近なドレッシングから始める、水と油の不思議な関係を探る実験。食用色素、灯油、ジクロロメタンを使って3色の層が分かれる様子を観察し、密度の違いを確認。さらにオイルタイマーの改造やビー玉が浮く液体まで、化学実験の奥深さを体験できる。【物理】温まりやすい色 or 冷めやすい色は? 色と温度の関係を探る実験を提案。身近な材料で黒色と白色の熱吸収の違いを観察しながら、物理の法則を学べる。炊飯器や布団カバーなど、日常生活との関連も見つかる実験的観察だ。【生物】寒天培地で微生物を育てよう 目に見えない微生物の世界を、寒天培地で観察する実験。うがい薬を使って培地の変色を確認し、身近な発酵食品に潜む微生物の存在を探る。納豆菌や乳酸菌、カビや酵母など、私たちの生活を支える小さな生命の営みを科学的に解明する。【生物】キッチンでできる!植物バイオ入門 特殊な実験器具を使わず、キッチン用品だけで挑戦する植物バイオテクノロジー実験。サボテンの種から無菌苗を育てる技術に挑戦し、家庭でできる植物組織培養の世界を体験。難しそうな実験を身近な道具で実現する、新しい生物実験を紹介する。【生物】イカを解剖して、ヒトとイカのからだの共通点を探る イカの体の不思議に迫る解剖実験。青い血液の正体や内臓の位置を確認しながら、ヒトとは違う体のつくりを観察。消化器や眼の構造から見える生物の共通点を探る、実践的な生物実験。【地学】地震の液状化現象を再現しよう 地震の力で砂地盤が液体に変わる不思議を実験で再現。容器を揺らすと起こる液状化現象を観察し、地盤の種類による違いを比較。防災の視点から地震の影響を学ぶ地学実験。【QuizKnock Lab】東大流の楽しい科学実験 科学をより身近に楽しくをモットーに科学を楽しく身近に感じられる動画を配信中の「QuizKnock Lab」。須貝駿貴氏の著書「東大流!本気の自由研究で新発見」では、家でできる簡単な科学実験を紹介。声の形を見てみよう 目に見えない声の形を観察する音の実験。ボウルと膜、食塩を使って音波の振動を可視化し、定常波が作る不思議な模様を観察。スピーカーと音叉アプリを使った追加実験で、音の科学的な性質を確かめる物理実験を紹介する。果物で電気が作れるってマジ!? レモンから電気を生み出す不思議な実験。亜鉛と銅の金属板を果汁に差すだけで電池に変身。身近な材料で電気が生まれる瞬間を観察し、化学反応の力を体験できる驚きの実験。メントスコーラより吹き出す組合せを探せ! 異なる物質をコーラに入れて噴き出す量を比較し、物質の表面特性と噴出量の関係を探る。多孔質の表面が気泡の生成に貢献し、噴出量を左右することがわかる。この研究を通じて、実験データの収集と考察の重要性を学ぶことができる。