16歳から身体が女性に…“男女反転”の先を描いた読み切り『大きくなったら女の子』が大反響 | NewsCafe

16歳から身体が女性に…“男女反転”の先を描いた読み切り『大きくなったら女の子』が大反響

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16歳から身体が女性に…“男女反転”の先を描いた読み切り『大きくなったら女の子』が大反響


ジェンダー観を覆す…“男女反転”の先を描いた読み切り『大きくなったら女の子』に反響続出 (C)PIXTA



男性は強くたくましく、女性は美しく生きなければならない──。そうして世間から“あるべき姿”として提示された性別は「ジェンダー」と呼ばれ、昨今さまざまな議論を巻き起こしている。9月16日、そんな世のジェンダー観に一石を投じるような漫画が『コミックDAYS』に掲載された。


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その作品とは、2021年7月期の「モーニング月例賞」で佳作を受賞した『大きくなったら女の子』という読み切り。作中では人間が全て男として生まれ、16歳を過ぎると体が大きい者が“女性化”するという「雄性先熟」の生物として描かれている。その世界では、体が細く小さい“男”がスカートや化粧といったオシャレを好み、体が大きく子どもを産まなければならない“女”は、体を冷やさないためズボンを履くのが当たり前。女性は人類の1割ほどという貴重な存在のため、「一妻多夫制」が取られている。


そんな環境下で、男子高校生の春野嵐太郎が、数少ない女性である同校の先輩・小堤夢にとあるお願いをするシーンから物語がスタート。単純な「男女反転」の話ではなく、丁寧に作り込まれた世界観で心情の機微が描かれていく。



これまで見たこともない独創的なストーリーは、多くの読者に衝撃を与えたようだ。ネット上では、《うわ凄いこれ。ジェンダー感覚ぶん殴られる》《こんな先鋭的で定番で完成度高い読み切りあるか?》《設定を組み立てるのに必要な知識と、ジェンダーに関する問題意識と、人間に対する洞察の、そのすべてがあった》《ジェンダーがぐちゃぐちゃになってて面白かった。そういうif世界、好きだ…》《人類の全く新しい生殖の概念を突きつけてくる話で頭クラクラしました!》と絶賛の声が巻き起こっている。


見た目と性別の逆転…だけではない問題提起


同作の主人公・春野嵐太郎は男性のような名前であり、実際に男性なのだが、その見た目は女子高生にしか見えない。その一方で彼が女性蔑視ともとれる発言をしたり、男性のような顔立ちをした女子の先輩に欲情したりと、幾重にもジェンダー観が反転した世界が描かれている。作者の御厨稔は、自身のツイッターで《「もしもヒトが雄性先熟だったら」という漫画を描きました》《「混乱してくれ」と思いながら描いたので混乱してもらえたら嬉しいです》とコメントしており、複雑な世界観を意図して作り上げたようだ。


本筋のストーリーは一見、思春期の男女の恋愛を描いているようにも見えるのだが、それは同時に“ジェンダーのかく乱”という実験として成立している。アーシュラ・K・ル=グウィンによるジェンダーSF『闇の左手』を思わせる完成度となっているため、今後SFファンダムでも高く評価されるかもしれない。


また、作中ではルッキズムやLGBTなど、さまざまな事象に通じるような問題提起も。最近の「コミックDAYS」では同作に限らず、今年5月に掲載された読み切り『やすお』など、現代社会への鋭い視点を交えた作品が次々登場している。今後も他の漫画雑誌では見られない表現を切り拓いてほしい。


文=野木


【画像】


Benzoix / PIXTA


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