チンチラペルシャの特徴

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ペルシャ猫の特徴と言えば、ふわふわと柔らかく長い被毛。
その美しい被毛が生み出すペルシャ猫の雰囲気は、「猫の王様」と称されるほど。
実は、ペルシャ猫とチンチラは同じ猫を指します。
厳密に言うと、ペルシャ猫の1つとしてチンチラが含まれているということです。
なので、チンチラと呼ばれている猫も品種的にはペルシャ猫というわけなんですね。
身体的な特徴

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まず始めに注目したい特徴は、毛色です。
ペルシャ猫には多くの毛色が認められています。
認められている毛色には、黒、白、スモーク、シェーデッド、ヒマラヤン、チンチラなどがあります。
お気づきになりましたか?
毛色の中に「チンチラ」が含まれていますね。
実はチンチラとは、ペルシャ猫の毛色の1つを指している言葉なんです。
ペルシャ猫の中でゴールドやシルバーの毛色を持ち、なおかつ毛先の1/5程度に黒色が付いているものがチンチラと呼ばれています。
他の特徴としては、尾と四肢はやはりアメリカンショートヘアの特徴を引き継いでいる点が挙げられるでしょう。
次に注目したい特徴は、顔つきです。
ペルシャ猫とチンチラを分ける最大の違いは、先ほど説明した毛色ですが、実は顔つきにも違いがあります。
まずペルシャ猫の顔つきですが、ペルシャ猫はピークフェイスと呼ばれる鼻が潰れたような平面な顔をしています。
一方、チンチラはペルシャ猫と比べて鼻が潰れておらず、スッキリとした顔立ちをしています。
チンチラの顔立ちの方は、ドールフェイスという呼ばれ方をします。
そして、目にも多少違いがあります。
ペルシャ猫もチンチラも左右の目の間が少し離れていますが、ペルシャ猫よりもチンチラの目の方が大きくインパクトがあります。
チンチラには目の周りにアイラインとも呼べるような被毛の縁取りがあり、そのアイラインが目を印象的にしているんですね。
ペルシャ猫とチンチラには他にも違いがあります。
それが体つき。
どちらも長くふさふさの被毛で隠れているので分かりづらいですが、体つきで見分けることもできるんです。
ペルシャ猫もチンチラも太っていると誤解されることが多いのですが、どんなことはなくシッカリとした体格をしています。
その中でも、ペルシャ猫の方がチンチラよりもずんぐりとした体形をしていて、チンチラの方はペルシャ猫よりも若干筋肉質です。
寿命や体質

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チンチラペルシャの体重は、オスでは3~5.5、メスだと3~5です。
平均寿命は15~20年です。
猫の一般的に言われている寿命が10~15年なので、長生きしてくれる猫種であることがわかりますね。
見た目がまるまるしているので、ちょっと太り気味に見られることもありますけど、体型ががっしりしていることと、毛が多いという事からそう見えることが多いです。
しかし、運動量が少ないので肥満には気を付ける必要があります。
そして、体質的に尿結石ができやすいようです。
それで、普段から水がいっぱい飲めるようにして置いてあげることや、おしっこの色などもチェックしておいてあげましょう。
チンチラペルシャの歴史は?

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ペルシャ猫の一種であるチンチラですが、ペルシャは純血種の猫種の中でも最古のものなんです。
16世紀にトルコを経由してイタリアに来た長毛種の猫が祖先だと考えられています。
それで、かなり古い歴史を持っています。
古くから美しくて優雅で気品のあるその姿で多くのファンを持ち、熱烈な愛好家たちもたくさんいます。
チンチラペルシャが歴史に登場し始めたのが、1882年ころだそうです。
イギリスで、ブルーのペルシャ猫と雑種の猫を交配させて生まれた猫と、シルバータビーのペルシャを交配させてときに、シルバースモークの毛色を持つオス猫が生まれたそうです。
このシルバースモークの毛色を持つ猫は「シルバーラムキン」つまり「銀の子羊」と呼ばれ、なんと17歳まで生きました。
現在もイギリスの自然史博物館に剥製として展示されているようですよ。
シルバースモークの毛色の猫というのは、アメリカでもかなり熱狂的なファンを持つようになり、チンチラという品種をペルシャから独立させようとする動きがありましたが、アメリカのCFA(猫血統登録団体)は、毛色以外の特性の違いがないことから独立を認めることはありませんでした。
現在でも、南アフリカの一部のみ以外でチンチラが独立した品種として認められいるところはありません。
チンチラペルシャの性格

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チンチラペルシャは大人しい性格で、温和でゆったりとした雰囲気を漂わせています。
子猫の時は子猫らしく遊ぶことが好きですが、成猫になるとあまり遊ばなくなり、ゆったりとくつろぐことを好むようになります。
ゴージャスな見た目でリラックスしている様子は、なんだか貫禄までも感じさせますよね。
オスは発情期でも騒ぐことが少なく、全体としてとても静かな猫です。
人間好きなのですが、自立心も強い性格です。
それで、人間とも程よい距離感を保ちます。
新しい環境への適応能力にも優れていて、子どもたちと一緒に遊ぶこともありますが、しつこいのはちょっと嫌がることがあります。
自分のお気に入りのスポットから、みんなを見守っていることも多いですね。
落ち着いていて、ゆったりとした雰囲気、そして上品さを感じさせる性格が「猫の王様」と言われる所以なのかもしれないですね。
チンチラペルシャの飼いやすさ

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穏和で落ち着きがあり、飼い主に対しても愛情深い性格なので、初心者の方にも飼いやすい猫として度々紹介されています。
基本的にスキンシップを多く取るような猫ではありません。
それで、常に飼い主さんに甘えてくるようなタイプではないので、ある程度距離を保って一緒に暮らしたいという人には向いている猫種だと思います。
しかし、気が向いたときには甘えてきてくれる、そんなツンデレなところもあるので、そうゆう距離感が好きな人にはたまらなく可愛いと思います。
それに、とても静かな猫なのでご近所とのトラブルも少ないでしょう。
高いところに上るのもそれほど好きではないし、リラックスしているのが好きなので、アパートやマンションなどの比較的限られたスペースで暮らしている人も飼いやすいと思います。
しかし、長毛種はやっぱり毛が抜けるので、毛のお手入れなどは必要となりますし、お掃除も毎日定期的にする必要があります。
チンチラペルシャの飼育環境と飼い方のコツ
チンチラペルシャを迎えるにあたっては、まず猫たちが安心して暮らせる環境づくりをしてあげる必要があります。
そして、その個性や特徴を理解したうえでしつけもしたいですよね。
では、チンチラペルシャに適した飼育環境と、飼い方のコツを見てみましょう。

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チンチラペルシャの飼育環境
チンチラペルシャを飼うときに、やはり気になるのは毛です。
生え変わり時期になると特にすごく抜け毛が目立つようになり、部屋中毛だらけになることもあります。
それで、毛足の長い絨毯などをひいていると、お掃除が大変です。
フローリングのようなお掃除しやすい環境の方が適しているかもしれません。
チンチラは匂いも比較的少なくて、排せつ物の匂いもあまり気になりません。
しかし、トイレを常に清潔にして挙げなくてはいけません。
あと、穏やかで静かな猫種ですけど、時には1m以上もの大ジャンプをすることがあります。
危険につながるようなものを置いておかないようにしましょう。
そして、長い毛を持っているので暑さや湿度に弱いです。
飼育環境の室温をしっかりと管理してあげましょう。
チンチラペルシャのしつけのコツ

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しつけですが、穏やかなペルシャ猫に対して、怒鳴ったりして怖がらせてしまうと、飼い主さんのことを信頼するどころか、敵とみなすようになります。
そうなると、二度と近寄ってこなかったり、コミュニケーションと取れなくなって、もっとしつけられなくなることがあります。
臆病な一面や、用心深い性格を考えて、過度に怖がらせることをしないようにしましょう。
怒鳴ったりするのではなく、ダメなことをしたときにはその時に「ダメ」と一貫して言うようにしましょう。
頭がいいので、トイレは最初にちゃんと教えれば大丈夫です。
床の匂いをかいだり、爪でひっかくようなしぐさをしたときには、トイレの場所まで連れて行ってあげましょう。
そこでおトイレをさせれば、その場所が排せつの場所だと学習してくれます。
もし、別のところで排せつしてしまった場合には、匂いを残さないようにキレイに掃除しましょう。
チンチラペルシャの毛色・被毛

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ペルシャ猫の中で、ゴールドやシルバーの毛色を持ち、なおかつ毛先の1/5程度に黒色が付いているものがチンチラである、という事ですが、チンチラシルバーが誕生したのは1882年。
そして、その後1920年代にチンチラゴールドが生まれました。
現在、最も美しいペルシャ猫とも評されるほど愛されているチンチラゴールドですが、子猫のときから濃い毛色を持つ子もいますが、たいてい毛並みは2、3年をかけて完成されていきます。
シルバーとゴールデンのほかに、ブルー、ブルーゴールデンの毛色の子がいます。
シルバーの毛色の子はアンダーコートが白、そして背中やわき腹や尻尾、そして頭に黒のシェイドが入っています。
ブルーの場合、シェイドがブルーです。
チンチラゴールデンは、アンダーコートがアプリコットかそれ以上に明るい色で、毛先のシェイドは黒です。
ブルーゴールデンは、アンダーコートが青白く、毛先のシェイドがブルーなんですね。
チンチラはペルシャよりも毛質が軽いと言われていますけど、長毛種として被毛が厚いことに変わりはありません。
それで、抜け毛のケアを毎日してあげることがとても大切です。
チンチラペルシャの健康管理やお手入れについて知っておきたいこと

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チンチラペルシャの平均寿命は、猫全般の平均寿命よりも長いとはいえ、遺伝性の病気になりやすい猫種でもあります。
例えば、両親のうちどちからが多発性のう胞腎を発症している場合、生まれてくる子猫にも50%という高い確率でそれが発症します。
これは、進行すると腎不全で亡くなるという深刻な病です。
そして遺伝的に白内障などの目の病気や、皮膚糸状菌症などの皮膚の病気、さらに肥大型心筋症などの心臓病なども起こりやすいと言われています。
そして、尿石ができやすいという体質を持っています。
それで、健康状態によっては寿命が短くなってしまう子もいます。
チンチラペルシャの健康管理方法

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チンチラがいつまでも健康に元気に暮らしてくれるようにできる健康管理方法として、まずは新鮮なお水をたくさん飲めるようにしておきましょう。
そして、尿石を放置してしまうと尿毒症になってしまいますので、尿の色を確認してあげましょう。
さらに、涙や目やにが出ていないか、皮膚疾患がないかどうか、毎日観察してチェックしてあげるとよいでしょう。
猫は、自分の症状を口で伝えることができないので、毎日よくコミュニケーションを取って健康をチェックしてあげるのは、飼い主さんの役目です。
そして、成猫になるとあまり動かなくなってしまうので肥満にも気を付ける必要があります。
食事量に気を付け、一緒に遊ぶ時間を取るなどして肥満にならないようにしてあげましょう。
ただ、運動がそれほど好きではないので無理やり運動させたりしなくてもよいでしょう。
チンチラペルシャに必要なお手入れ

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長毛種のチンチラペルシャのアンダーコートは、毛玉ができやすいです。
それで、毎日のブラッシングなどのお手入れが欠かせません。
ブラッシングなどを怠ってしまうと、毛玉ができて通気性が悪くなり、そのことが熱中症や皮膚病につながることもあるようです。
美しい毛並みを維持したり、皮膚の健康を促進したり、猫が抜け毛を飲み込むことで起こる毛球症を予防するためにも、ブラッシングをしてあげてください。
朝と夜の1日2回のブラッシングとコーミングを習慣にしている人もいます。
長い毛を持っているので、シャンプーも時々してあげる必要があります。
猫が自分で毛づくろいした際に、口の中に毛が入ってしまい、その毛がお腹の中でたまることによって引き起こされる吐き気や便秘になり、毛球症が引き起こされます。
ブラッシングをすることで、そのようなリスクを少なくし、コミュニケーションを取りながら健康チェックができるので、病気を早い段階で見つけてあげられることにもつながります。
そして、血行が促進されることで美しい毛が生えてきてより魅力的な猫になります。
チンチラペルシャの価格相場

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チンチラペルシャの価格相場ですが、平均すると約20万円くらいといえます。
しかし、その毛色や成長具合によってかなり差があります。
10万円以下で購入することができる場合もありますし、なんと40万円ほどもする子もいます。
チンチラペルシャの子猫の性格

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気品が高くツンデレな性格を持つチンチラペルシャですが、赤ちゃんの時には好奇心が旺盛で元気いっぱいです。
いっぱい遊んで、走り回るし、跳ねるし、大人しいとか穏やかな性格であまり動かないと思っていた人はびっくりするくらいでしょう。
しかし、成猫になるとどんどんと落ち着いて、リラックスして過ごすのを好むようになります。
チンチラペルシャのブリーダーの探し方

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希少価値が高いチンチラは、ペットショップなどでは、それほど子猫を見かけることはないと思います。
それで、ブリーダーを探して購入することができます。
ブリーダーから購入することのメリットとして、親猫の情報を知ることができます。
遺伝性の疾患を持つことが多いチンチラなので、その点で詳しく情報を教えてもらうようにしましょう。
ネットなどを利用して、全国のチンチラのブリーダーを探すことができますので、見学に行ける場所などを探してみてください。
チンチラペルシャの里親になる

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ペットショップあるいはブリーダーからの購入のほかに、里親募集で探して里親になるという選択もあります。
この場合、購入するのではなく、家を必要としている猫を譲り受けるという事になりますが、里親になるために求められている条件を満たす必要もありますし、ワクチン代や手術代などを支払う必要もある場合があります。
里親募集のページなどを検索していると、いろいろな背景を持つチンチラペルシャの猫たちが里親を探しています。
あなたにピッタリの子が見つかるかもしれませんので、そちらもぜひチェックしてみてください。
ただ、この場合両親の情報などは手に入らないことが多いので、その点は承知の上で、病気などについても、もし治療が必要ならどのくらいの費用がかかりそうかということも踏まえて、最後まで大切に世話ができるかを考慮しましょう。