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【全文】ウーマン村本「こんなややこしい者に関わってくれてありがとうございました」 3年間務めたAbemaPrimeレギュラーを卒業

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【全文】ウーマン村本「こんなややこしい者に関わってくれてありがとうございました」 3年間務めたAbemaPrimeレギュラーを卒業

 25日の放送回をもってAbemaTV『AbemaPrime』のMCを卒業したウーマンラッシュアワーの村本大輔。番組の最後に、番組スタート以来3年分の思いを込めて、10分間の独り語りを行った。



 僕は全くニュースとか…「ニュース」という言い方したらダメなのかな。色々なものがあって、それを一言で「ニュース」といってしまうと、「ニュース」に関心があるということになってしまったら「こいつは何に関心があるんだ」ってことになるので難しいんですけど、『AbemaPrime』が始まって3年、僕はやらせていただきましたけど、一番変わったのは、僕が作り出す漫才の表現が明らかに変わりましたよね。


 まあもともと漫才ってのは「笑わしたい」というのはもちろんそうなんですけど、それよりも「言いたいことを言う」って決めてて。ちょっと昔の漫才は、大学の先生になってみたいとか、女子高の先生になってみたいというところから作り始めていたんですよね。自分の欲求と、言いたいことと。それがニュースに触れてしまって、知ってしまって、気づいてしまって。そっからもうなんというか、急に「漫才師」から「活動家」って言われたりして。他の芸人には「お前、おい辺野古ちゃん」って言われたりして。なんか色々変わってきたんですよね。


 で、相性の悪いSNSっていうのがあるんでね。酒を飲んだら普段から思ってる、溜まってることをぶわーって書いちゃって。SNSっつうのは、思ってることの、一番強い言葉をぽっと短く書くもんなんで、すごい暴力的な言葉になってしまって。それで色んな人と揉めたり。僕は吉本っていう会社の所属タレントとしているので、マネジャーとか社員さんにはすごい迷惑かけたと思うんですよ。で、この番組のおかげでアンチが増えましたよね。


 なんかこう、ちょっとでも僕が沖縄のことを書くと、今までだったらスルーされていたことが「すごく許せない」ということで会社とかに電話があって。吉本という会社もちゃんとした会社なんで、やはり1件、2件とかで、社員さんなんかが「沖縄の発言、あれはやめた方がいんじゃない」とか。毎回ですよね、スタッフさんも知ってますよね?番組終わった後、楽屋に毎回吉本の社員とか、偉い人が待ってて、そのまま取り調べみたいなの受けるでしょ?そうなんですよ。僕、最近吉本の社員のこと「公安」って呼んでるんですよ。治安維持法でね、ちょっと僕がつぶやいたらしょっぴかれて。この前なんか『ガキの使い』で「アウト!」っていう藤原さん、(よしもとクリエイティブ・エージェンシーの)社長ですよ、社長が楽屋に座ってるんですよ。アベプラが終わったら、「ちょっと来てください」って言われて、「こないだのツイッターの件やけども、これはどうにかならんか、百田さんや高須さんのこと」ということで、楽屋に3、40分も閉じ込められて、ずっと藤原さんに言われたんですよ。ホンマにあかん時は「アウト!って言わへんのや」っていうくらい(笑)。ほんとにもう、ずーっとね。とんとんと言われ続けるんですよ。僕も「あー、すみません、すみません、すみません」つってね。で、また書いちゃって言われて。


 だから本当に、まあ正直「タレント」という商品では無くなりましたよね。「活動家」というのかどうなのかわかりませんけれども、言いたいことは言わないとしょうがない。でも僕にはもちろん相方がいて、やっていかないといけない。"いけない"っていう言い方は相方に失礼だけど。アベプラが始まって、沖縄にも行って、色んなことに触れて発言して、『THE MANZAI』でちょっと政治的な漫才やったら、しっかりその色が付いて。


 こないだ別の番組のスタッフさんと飲みに行ったときも、「ちょっと色が付いてる。クイズ番組とかバラエティ番組出たとき、そういうこと言いそうな感じがするっていうのは、正直あんまりプラスじゃない」っていう話しなんかされたりして。僕も今さらそっちにでたいっていうわけでは全くないんですけど、変な正義感はないですけども、僕が守りたいものは言論の自由で、自分が思ったことははっきり言う、というのは大事にしたいんです。


 アメリカと日本のお笑いにおけるやりかたとか立場ってのが全然違って。やはり社会が不寛容になればなるほど、お笑い芸人がそれに対して発言して社会の偽善を暴くというのがお笑いであったりするんですが、どうしても日本では福島とか沖縄のことなんか言ったら「お前どうした」とか、「憲法9条のことについてどう思う?」っていったら「お前何があったんや」とか。そういうことを言われるんですね。番組ではなく楽屋の中でも、普通にそういう会話が難しかったりするんですよ。でもアメリカの人と喋ったときには普通に議論して会話しようよってなるんですが、日本では「どこ向かってんねん」って言われたりもするんですね。これはイコール日本が平和なのか、それとも平和のところしか見てないからなのか。

 でも、この番組のおかげで本当に色んな人と出会えましてね。やっぱり頭の中で一番鮮烈に覚えているのは、障害者施設津久井やまゆり園で人がたくさん殺されたとき。担当している記者の方と喋った時に、「あれはニュースにならないんです」と言われて。「なんでですか?」と聞いたら、「見る人がいないんだ」と。「自分が怖くないから見ない。身内にいたら本当に怖くてどうしても見てしまう」と。そうなんだと思って。だから北朝鮮がミサイル撃つと、自分のことじゃないかと思って見るし、そればっかりになると。


 テレビという媒体は本当は何を伝えたいのか。みんなが見るものを伝えるとしたら、本当に見せないといけないものは何なのかと。例えば福島では浪江町はフィーチャーされるけれども、それ以外はフィーチャーされなかったり。熊本でも益城町はやりますけど、その横の人はフィーチャーされないから、深刻じゃないと思われて、復興が遅くなるであったり。メディアというのは、そこに光を当てて、再生させる、注目させる力はあるが、やはりスーパーボランティアおじいちゃんにはスポットライトが当たりますが、行く先々にはなかなか当たらなかったりとか。それこそローラが沖縄のことを語ったら、芸能人の政治的な発言はありかなしかという話で、結局は辺野古には光が当たらなかったりして。前回、僕がアベプラを卒業する話のなかでボソっと言った、「5万円の給料が無くなる」っていう、それが結局大きくネットニュースになったり。


 ネットニュースはあくまでも娯楽として見たらいいですし、ワイドショーはワイドショー、報道は報道だというふうに見たらいいんですが、どうして我々が目にするものはネットニュースで、それをスマートフォンで見て。ネットニュースがニュースに変わって、「ニュースでこんなこと言ってた」っていうことになって、関心があるのがそっちになって。もちろんそれ以外の人たちも、大きく行動して、活動して自分で発信はしているんですが、やはりまだまだテレビでほとんどやってくれなくて。


 沖縄でも「基地の話はいいから、経済の話してくれ」「これ以上、基地を増やして、沖縄が泣き寝入りしちゃだめじゃないか」と、いろんな意見があって。こっち側の人からは「いい加減してくれ」、こっち側の人からは「ありがとう」と言われて。芸能人が政治的な発言して炎上するときも、「自分の意見とは違う」「馬鹿なくせに言うんじゃない」という人が炎上させてて、同じ人は「よくぞ言ってくれた」となって。でも芸能人がなぜ炎上するかって、それは誰も触れないからなんですね。


 朝鮮学校無償化の話も全く知りませんでした。でも街頭でデモやってた広島の朝鮮学校の生徒さんと喋ったから、それに触れて漫才でやったら、たった15秒くらいの時間だったんですが、インスタのDMにぶわーっときたんですね。「ありがとうございます!」って。でも、韓国人の後輩には「ありがとうございますと、今更かよ」っていう二つの気持ちがあるって言われて。


 臭いものに蓋をして、「それはめんどくさいもの」で一切触れずに放置しているから、共通して言われるのは「こんなめんどくさいものに関わってくれてありがとうございます」。この「めんどくさいもの」って、なんなのかなって思うんですね。

 僕もめんどくさいって思うんですね。この番組のプロデューサーの郭さんと飲みに行った時に、「お互い腹割って喋りましょう」と言って、「正直、何回も辞めようと思った瞬間があって、でも止めてくれてありがとうございます」って。そうしたら「僕も腹割っていいですか。僕はあんたのこと何回殺そうと思ったか(笑)って言われたんですね。酒飲んで番組出るわ、企画をぶちこわすわ、まあややこしい」と。でも、こないだ番組が終わったあと、郭さんから「これからも友達でいませんか」みたいなことを言われた。なんかいい出会いがあったなと思うんです。


 だから、最後にこれだけ一言、言わせてください。3年間皆さん付き合ってくれてありがとうございます。いろいろな人の言葉を真似しますけど、こんなややこしい者に関わってくれてありがとうございました。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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