不況が続く百貨店業界で売上を伸ばし続ける”奇跡のデパート”リウボウ、コンビニ出身社長の秘策とは | NewsCafe

不況が続く百貨店業界で売上を伸ばし続ける”奇跡のデパート”リウボウ、コンビニ出身社長の秘策とは

社会 AbemaTIMES/経済・IT
不況が続く百貨店業界で売上を伸ばし続ける”奇跡のデパート”リウボウ、コンビニ出身社長の秘策とは

 不況が続く百貨店業界にあって、女子高校生も足を運び、売り上げを伸ばし続ける"奇跡のデパート"が沖縄にあるという。8日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、その人気の秘密に迫った。


■制服姿の女の子や20代の客も足を運ぶ

 丁寧な接客や趣向を凝らした催し物、屋上遊園地などで幅広い年代から愛され、"小売の王様とも呼ばれた百貨店。しかし1990年代後半になると増加した郊外型ショッピングモール、2000年代にはUNIQLOやH&Mなどのファストファッション、そして近年ではネットショッピングに押され業界全体の売り上げはピーク時の約6割まで減少。ネットショッピング業界全体の売上額が2010年の約7兆7800億円から2017年には約16兆5000億円と飛躍的な伸びを見せる中、百貨店業界では大手の経営統合も相次ぎ、地方では倒産するところも現れている。渋谷の若者たちに話を聞くと、「デパートって響きすら懐かしい」「まず百貨店が何なのかわからない」と、"百貨店離れ"が深刻であることを伺わせる。

 そんな時代にあって、制服姿の女の子や20代の客も足を運ぶのが沖縄県の「デパートリウボウ」だ。


 1952年に設立、店名は1948年に設立された「琉球貿易商事株式会社」に由来する。すべての商品が米・英からのもので「舶来品のリウボウ」と呼ばれた時代もあったという。沖縄初のエスカレーターやファッションコンテストもリウボウで、1991年には現在の県庁前駅前に移転し、売り場面積を3倍に拡大。かつて沖縄には3つの百貨店があったが、うち2つが経営不振により相次いで閉店。そんな中で唯一生き残った。

 人気の理由の一つが、若者が集う店づくりだ。プチプラで可愛い商品を取り揃える「Francfranc」や、沖縄の若い女性に大人気のブランド「YOKANG」など、一般的な百貨店ではあまり見かけない若者向けのショップがずらりと並ぶ。


 また、先月オープンした、開放的でリゾート感溢れるカフェ「樂園CAFÉ」では、沖縄の野菜を使った「島野菜の樂園サラダボウル(900円)」などのおしゃれなメニューを提供する。お隣の土産物店「樂園百貨店」も、Instagramを積極的に利用、若い世代にアピールしている。

 リウボウインダストリー樂園企画係長の大嶺佐紀子さんは「デザインも含め、"3拍子"が揃っていないといけないと思う。今の時代に合っていること、作っている人の空気感が感じられること、沖縄の良さを体現していて、価格もそこまで高くはない商品をセレクトすること」と話す。お客さんからも「おしゃれしないと入れないっていうような空気がないから入りやすい」「県外の老舗の百貨店に比べると、若手の人も取り込んでいるのかなっていうところは感じる」と好評だ。

 人気の秘密はそれだけではない。有名ブランドとのコラボにより、ここでしか買えない商品を生み出すことだ。男性衣料品のバイヤーを務める紳士服企画係係長の細谷淳さんが取り組んだ「POTER」と沖縄の伝統工芸品「紅型」「首里織」のコラボ商品は、第1弾、第2弾と相次いで即完売。急遽増産も行ったほどの人気を見せた。


■異業種のプロフェッショナルを積極登用

 実は東京の大手百貨店で働いていたという細谷さん。リウボウでは長年沖縄で暮らし、沖縄を知り尽くすスタッフたちに加え、コンビニ、IT企業、食品メーカーなど、百貨店とは異なるフィールドで活躍していた異業種のプロフェッショナルたちが一緒に海外事業展開に取り組む。

 リウボウHD会長の糸数剛一氏も、もともとはグループが沖縄で経営していたファミリーマートのトップを務めていた。「2009年度にデパートリウボウは赤字に転落していて、2012年度が底だった。私は翌年度に沖縄ファミリーマートの社長からデパートリウボウの社長に転籍した。まずフロア別の損益を出してもらった。すると1階の化粧品売り場、お菓子売り場、3・4階の婦人服は黒字だったが、その他のフロアの赤字が大きく、どんどん膨らんでいた。そこで強みをより強くということで、化粧品売り場に投資し、リニューアルした。次に、客層を広げることに取り組んだ。一番効果的なのは食。地下の食料品フロアのクオリティを上げつつ、各フロアにも飲食店を入れた」と振り返る。

 さらに糸数氏は、コンビニをヒントに、床と壁を白くしたり、2〜3週間でブランドが入れ替わるポップアップストアを開いたりするなど、売り場改善に取り組んだ。「私がリウボウに来た時に真っ先に感じたのが、年間を通して変化がとても少なくて毎年同じようなことをやっていたので、これはお客さん飽きるよねと。ポップアップストアは固定の売り場ではないので、百貨店側にもテナント側にもリスクがない。そして、"いけたらもう1回行ってみましょう"と。イベントは投資対効果で見ればダメだが、結果として若い人がたくさん来るようになった」。

 特別制作室室長の佐藤修さんは、元セブンイレブン社員だ。「マグロと一緒で、"止まったら死ぬ"っていうのがコンビニ。毎週新しい商品を出し続けないと、お客さんがついてくれないという中で育ってきた。それを百貨店にも取り入れれば、ものすごく面白い場所になるんじゃないかと思った。沖縄の人は地元が好きなので、地元のことしか見えていないことが多い。そこに外から来た人たちが観光客目線で"こういうのがあったら面白いよね"と提案し、お客さんにウケるコンテンツを作っていく」と話す。

 沖縄と直行便で繋がる台湾、香港、バンコクだとかシンガポールの人々に向けた海外プロモーションを練る佐藤さんたち。こうした施策の背景にあるのは、現代の"琉球貿易"ともいえる20億人マーケット戦略だ。


 糸数氏は「インバウンドのお客さんの免税売り上げの全体構成比は2013年度で0.7%くらいだったが、今年は半期で15%。つまり、5年で15倍以上になっている。ありがたいことに直行便が増えているので、各地の百貨店やモールで沖縄のアピールとリウボウの名前を知ってもらう取り組みをくり返しやっている。台湾で実施した結果、お客さんの伸び率はダントツで1位になった。これはイケる、ということで他の国でも進めている」。


■「特徴・強みを思い切り出していく」

 こうした取り組みによって、デパートリウボウの去年の売上高は過去最高額の178億円を記録した。それでもネットショッピングの脅威は無縁ではない。


 糸数氏「百貨店が追い込まれた一番大きな要因はやはりネットショッピングだと思う。ただ、人は感情の動物。良いものよりも好きな店ということで、好きになってもらうことが大きい。ショッピングセンターも、これからいくつもできる予定だが、それらとは違うサービス、商材、館を目指せばいい。近くにモールができた相乗効果で売上が上がった、くらいの館にしなきゃいけない」と話す。

 「東京を中心とした百貨店のモデルのダウンサイジングをしたのが地方の百貨店。高度成長の時はそれで良かったが、今はネットで買えるし、東京もサッと行けちゃう。だからこそ会社や地方の特徴・強みを思い切り出していくこと。今は物余りの時代なので、売る側も何が当たるか分からないし、消費者も何が欲しいのかが分からなくなっているのが実態。だから何もしないと何も分からないし、リスクをとってチャレンジしながら修正していかないと難しい。イベントが楽しいから、そのための洋服を買いにくる場合もある。あちこちで物販に繋がる色んなことを仕掛けないといけない」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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《AbemaTIMES》

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