「noteでクリエイターのホームグラウンドを創る」ピースオブケイク加藤貞顕氏のビジョンとは | NewsCafe

「noteでクリエイターのホームグラウンドを創る」ピースオブケイク加藤貞顕氏のビジョンとは

TwitterやFacebook、そして各社が提供するブログサービスなど、自ら発信するためのウェブサービスが多様化する中で注目を浴びるのが「note」だ。特徴的なのは課金機能で、好きなことを好きに書くだけで年間数千万円も稼げる可能性があると、書き始める人が増えている。21日…

社会 AbemaTIMES/経済・IT
「noteでクリエイターのホームグラウンドを創る」ピースオブケイク加藤貞顕氏のビジョンとは

 TwitterやFacebook、そして各社が提供するブログサービスなど、自ら発信するためのウェブサービスが多様化する中で注目を浴びるのが「note」だ。特徴的なのは課金機能で、好きなことを好きに書くだけで年間数千万円も稼げる可能性があると、書き始める人が増えている。21日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、運営会社であるピースオブケイク代表取締役の加藤貞顕氏を交え、人気の秘密を検証した。


■執筆者の取り分は売上の約8割

 加藤氏は元々、出版社で編集者として働いていた。雑誌『アスキー』の編集や、ダイヤモンド社時代には"もしドラ"などの人気作品を生み出してきた。しかし「インターネット上にコンテンツを発表しても、収益化も含めて市場がない状況があった。その市場を作らないと、コンテンツを作ること自体が回らなくなるので、仕組み全体を作ろうかと」と独立、ピースオブケイクを設立した。そして2014年4月、「note」をリリースした。

 加藤さんは、クリエイターが課金状況を見て自分の作品の評価を確認しながら色々なコンテンツを試すことができ、出版社は新たな才能を発掘できる。そしてnoteには新たなクリエイターが集まる…という具合に、誰も損をしないエコシステムを目指す。

 「出版がなぜ栄えたかというと、"取次"という問屋があって、流通の仕組みがよくできていたから。日販・トーハンの大手2社がシェアの8割を占めているので、出版社はこの2社と契約すれば全国の8割の書店に本を配ることができた。だからこそ安心して本が作れて、売れて、回収できて、また新しいものが作れた。しかし、それがネットになかったのが実は大きな課題だった。これを作れれば、みんなが得をする仕組みができる。だから僕らがやっているのは"流通"なのかなと思っている」。

 乾貴士選手や原口元気選手、宇佐美貴史選手など、一流サッカー選手に自身のドリブル理論を伝え「ドリブルデザイナー」として知られる岡部将和さんも執筆者の一人だ。理論的な部分をGIFや動画と合わせて、より具体的でわかりやすく説明しようと試みている。記事を実際に読んでみると、途中で「有料」の表示が出現した。noteでは誰でも自分の記事に100円〜1万円の範囲で値段をつけることができる。複数の記事をまとめて販売する機能もあり、売上の約8割が執筆者の取り分となっている。岡部さんの場合、全18巻セットで2000円だ。1000人が買ってくれれば、160万を稼げる計算になる。


■書籍化、映像化が実現したクリエイターも続々

 しかし、運営会社は取り分2割で良いのだろうか。ピースオブケイクのディレクター・三原琴実氏は「"クリエイターファースト"を価値観として掲げている。クリエイターの方たちが本拠地としてnoteという場所を選んでくれたらいいなと思っていて、作品を投稿していると届けたい相手に自然と作品が届いて、収益化もできる。そんな場所になればいいんじゃないかと思っている。出版社などとパートナーシップを結んで良い作品を紹介、クリエイターの活動が広がるようにもしている」と説明する。

 noteでは、他社のブログサービスに見られるような広告掲載もない。それでも無料の記事を載せることへのメリットについて加藤さんは「ページビューが増えても僕らにはお金が入らないし、むしろサーバー代がかかる。それでもクリエイターが集まれば、読者が集まる。そうやって"いい街"ができれば面白くなる」と説明する。そのようにして集まってきたクリエイターの中には、出版や映像化など、新たな活躍の場を得る人も現れ始めている。

 普段はサラリーマンをしているチャーリーさんこと近藤哲朗さんは、noteに投稿していた「ビジネスモデル図解」が書籍化された。人気店「俺のフレンチ」について「立ち食いスタイルにすることで席の回転率が通常の3倍になる」「料理の品質を上げ、原価率が高いのに成り立つ」など、"儲かるシステム"を図にして解説した記事など、一見ニッチとも思われる内容がネット上で話題になり、出版社も飛びついた。「noteに投稿する前は、半年後にこんなことになるとは思っていなかった。note様々ですよ」と近藤さん。

 作家・料理家の樋口直哉さんはレシピ本を出版した。加藤氏によると、ネット上で人気となった樋口さんのレシピに注目が集まり、マガジンハウスの雑誌『ku:nel』の表紙に起用され、書籍の出版も予定されている。また、漫画家のかっぴーさんは『左ききのエレン』が200以上の電子書籍ストアで配信、『少年ジャンプ+』でも連載を持つようになった。ドラマ化もされた吉田貴司さんの漫画『やれたかも委員会』も、元々はnoteで連載が始まった作品だ。


■鍵は「コミュニティ」、ファンが集まる"ホームグラウンド"に

 有料にできることを除けば、他社のブログサービスと同じように見えるnoteだが、実は特徴はそれだけではない。その一つがコミュニティ要素だ。読者はフォローしたり、スキ(いいね)を送ったり、無料の記事に対しても投げ銭をすることで応援が可能だ。

 加藤氏は「タレントもそうだが、みんなホームページもやってブログもやってFacebook、Twitter、Instagramもやって、それぞれにお客さんを集めていて、ホームグラウンドがない。しかもビジネスはテレビや出版など、別の場所でやっている。だからファンを1か所に集めて自分だけのコミュニティを作り、必要であればそこでビジネスもできる。僕らがやりたいのは、そのホームグラウンドを作ること。noteも販売機能に注目が集まりがちだが、順番としてはこれが重要。noteをブログ代わりに日記を書いている人も多く、売られている記事は全体の7%程度。必ずしもみんな商売をしなくてもいいが、ファンをためることが実は大事だと思う」と説明する。

 今後について加藤さんは「さらに出口を増やしたい」と話す。ECプラットフォーム5社と提携、店舗名、商品名、価格などが表示された商品カードをnoteの記事内に表示できるようにする新機能「note for shopping」をリリースした。「ECをやってる方が自分が売っているものの紹介をしやすくした。どんな思いで靴を作ったのかなど、裏に背景が隠されてるみたいな話も書けるし、また道が増える」。

 番組のレギュラー陣も、読者・執筆者としてnoteに大きな期待を寄せる。AV女優の紗倉まなは「記事のプレビュー数だけでなく、そこからどれくらい購入されたかによって、読者が何に興味を持っているのかという指標になるのが面白い」。デザイナー兼実業家のハヤカワ五味も「今年4月からビジネスや交流について書き始めた。月額800円で月4回更新のマガジンとしてやっていて、読者が330人くらいいる」と話す。noteから派生した内容を出版することもすでに決まっているという。

 他のブログサービスやニュースサイトで執筆するコンサルタントの宇佐美典也氏も「粗探しして叩く前提で入ってくる読者がネット上には多いが、noteは読者が応援する前提で読んでくれる。"頑張れ"から入るからすごくいい」と評価。「サービスというよりコミュニティだと思う。インターネットが年々殺伐としていく中で、noteみたいに温かいインターネット村ができるとは思わなかった」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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《AbemaTIMES》

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