松田直樹が残したもの | NewsCafe

松田直樹が残したもの

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松田選手が死去…。なんとも信じられない気持ちの中この原稿を書いている。2日に「松田選手が倒れた」との第一報を聞いたときは熱中症との報道もあり、まさかこんな事態になるとは想像できなかった。松田直樹を突然襲った病である「急性心筋梗塞」。これは心筋(心臓の筋肉で横紋筋)へ酸素と栄養を運んでいる冠状動脈に血栓(血のかたまり)が詰まり(閉塞し)、血液がいき渡らなくなり、心筋の細胞は死亡(壊死)した状態のこと。専門家によるとアスリートが発症することは非常に珍しいケースだという。

ただしサッカー選手が試合中に突然死を発症したケースは今回だけではない。03年のコンフェデレーションズカップのカメルーンvsコロンビア戦ではカメルーンのフォエ選手が心臓発作で倒れた。07年にはスペイン代表DFのプエルタが同じく試合中に心臓発作を起こし帰らぬ人となってしまっている。サッカーがいかに過酷なスポーツであるかを物語っている出来事だ。

松田直樹はとにかく熱い選手だった。気迫を前面に押し出すプレースタイルから主審と言い合いをするの日常茶飯事。相手を飲み込むようなオーラを放つ日本人には珍しいタイプのディフェンダーのイメージがある。ミスターマリノスと呼ばれた男の転機は突然やってきた。横浜F・マリノスのキャプテンとして常にトップで戦ってきた松田は10年にチームから戦力外通告を受けた。スポーツの世界では世代交代は必ず訪れるもだがマリノスサポーターは納得しなかった。

怒ったサポーターの一部がクラブハウスに押しかけるなど再契約嘆願は2万を超えた。これだけでもいかにファンから愛されてきたかが分かる。10年のシーズンを総括かつセレモニーで既に退団が決まっていた松田が言った言葉が忘れられない。「俺、マジでサッカー好きなんですよ。もっとサッカーやりたいです」。

その想いは新しいステージへと繋がった。松田が新たに選んだ戦いの場はJFL。J1、J2の次のカテゴリー、いわば3部リーグに属すJFL・松本山雅FCでキャリアを再スタートさせた。チームをJ2に上げるため持ち前のガッツとキャプテンシーでチームを引っ張り続けた。今回の事態はそんな矢先の出来事だったのである。サポーター、選手に愛された松田直樹は天国に旅立ってしまった。本当に残念でならない。しかし松田直樹が与えてくれた勇気と感動はきっとみんなの心に焼き付いているはずだ。心よりご冥福をお祈りいたします。
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