求む、真の夏の総決算 | NewsCafe

求む、真の夏の総決算

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人間と同じく馬にも夏休みがある。競馬界は6月の宝塚記念が終わると中央場所はお休みとなり函館、札幌、新潟、福島、小倉の地方場所での開催が始まる。G1を勝つようような馬は夏場に適したレース番組は少なく、北海道の牧場で静養して秋に備えるというのが通例だ。有名な馬は出走しなくても夏競馬の楽しみ方はいくつもある。今回はそんな楽しみ方を紹介したい。

■未来の菊花賞馬を探す

競馬の世界ではよく早熟、晩成という言葉が聞かれる。血統によって2歳の早い時期から力を発揮する馬と、同世代の馬より成長は遅いが夏場を越えて急激に力をつける馬もいる。特にこの時期の3歳馬は「夏競馬で力をつけて秋には菊花賞へ」というタイプが多い。

有名なところではメジロマックイーン、マンハッタンカフェ。この2頭は春シーズンはまったくの無名だったが夏競馬で大きく成長を遂げ菊花賞を制した。夏の函館、札幌には2600mと長距離の条件戦が組まれており、ここに出てくる3歳馬は注目する価値がある。

■サマーシリーズ

夏競馬にはサマーシリーズという距離別、騎手別のシリーズも行われる。「夏の短距離王決定戦」サマースプリントシリーズはすでにスタートしている函館スプリントSを皮切りに5レースが対象。サマー2000シリーズはその名の通り2000mの重賞5レースが対象。各レースの着順に応じてポイントが与えられ優勝馬には馬主に4000万円。厩舎関係者に1000万円が贈られる。夏の暑い時期にめっぽう強い馬や函館、札幌の洋芝(中央場所の芝よりも深く力のいる芝)で力を発揮する馬など夏ならではの光景が見られる。

■新馬戦

JRA(日本中央競馬会)では6月からその年の新馬戦をスタートさせる。競走馬として生まれた仔が初めて競馬場でレースに臨むのが新馬戦だ。初めてのレースだけに真っ直ぐ走れない馬や折り合いがつかない馬もよく見かける。ここでの楽しみは翌年のクラシックレースで活躍すような馬を探すこと。最近は血統のよい注目馬のデビューが早まっている傾向があり今年も有力馬が続々と参戦するはずだ。

上記が筆者が考える夏競馬の楽しみだが、昔から疑問に思うのは夏にG1レースがひとつもないことである。これではファンの盛り上がりがいまひとつ欠けるのも仕方がない。以前より8月に札幌競馬場で行われる「札幌記念」をG1に昇格してほしいとの声があるがまさにその通りだ。

歴代の勝ち馬を見てもエアグルーヴ、セイウンスカイ、ファインモーションなど一流馬が名を連ねる。真のサマーシリーズ総決算として札幌記念をG1競走にすれば売り上げ増などメリットは大きいと思うのだが…。まあいずれそんな日が来ることを願いつつ今年も夏競馬を楽しもうと思う。
《NewsCafeコラム》
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