レーヴ(夢)をのせて | NewsCafe

レーヴ(夢)をのせて

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「皐月賞は速い馬が勝つ」、「ダービーは運のいい馬が勝つ」、「菊花賞は強い馬が勝つ」これは古くから伝わる3歳クラシックレースの格言である。競馬の祭典と言われる「日本ダービー」。毎年生まれてくる数千頭の中から出走できるのはわずかに18頭だ。

毎年激しい出走権争いが行われる中、今年は強引にダービーへの切符を勝ちとった馬がいる。7日に東京競馬場で行われたプリンシパルSを制したトーセンレーヴは父ディープインパクト。母ビワハイジ。姉にはあのブエナビスタがいる良血馬だ。

デビューは今年2月と遅くなったが2連勝を飾り皐月賞出走をかけて毎日杯に挑んだ。3番手を追走するも最後は伸びきれず3着に敗れたが素質の高さは見せつけた。次に選んだのは2着までにダービー優先出走権が与えられるダービートライアル青葉賞。しかし結果はまたも3着。常識的に考えればダービー出走は絶望的な状況となった。

何とかダービーに出したい…。陣営は異例とも言える判断に出た。それは翌週に組まれた最後のダービートライアル・プリンシパルSへの出走だった。連闘になるうえ今度は1着馬にしか優先出走権は与えられない。仮に勝ったとしても本番のダービーに万全の状態で臨むことはかなり難しい。そんな高いリスクを背負った1戦だったがトーセンレーヴは結果を出した。

最後の直線。内に進路をとったが残り200m付近で前がカベになり青葉賞の悪夢がよぎる。しかし今日のトーセンレーヴはここからが違った。ひるむことなく伸び続け最後は実力でダービーへの切符を勝ち取った。クラシックを勝つ馬はこの時期の急成長が鍵を握る。

トーセンレーヴも良血が騒ぎ出したのか1戦ごとに確実に進化している。「ダービーは運のいい馬が勝つ」。久しぶりにこの言葉がピッタリな馬が登場した。名前のレーヴはフランス語で夢を意味する。関係者・ファンの夢をのせて…。今年の台風の目はこの馬かもしれない。
《NewsCafeコラム》
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