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災害の前に戻れたら…『一日前プロジェクト』を知っている?

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災害の1日前に戻れるとしたら、あなたは何をしますか──。

内閣府がすすめている「一日前プロジェクト」をご存知でしょうか。「一日前プロジェクト」とは地震や水害など、災害にあった方々に「もし災害の一日前に戻れるとしたら、何をしますか?」とインタビューし、体験や被災経験を語り継ぐことで、防災意識を高め次にくる災害に備えておこうというプロジェクトです。

万一の際に備えて参考にしておきたい体験談がたくさんあるのでご紹介します。

■息子の忠告聞き流す…[穴水市・60代・女性]
・平成19年能登半島地震を体験
うちは置いていた家具が全部倒れてしまいました。板の間に比べると畳は少しフワフワしているから、よけい倒れやすかったようです。
正直、地震なんて1000分の1も思っていませんでした。自分のところには地震は来ないと思っていたので、阪神・淡路大震災の神戸の人たちを気の毒やなあと思っていただけでした。整理ダンスの上とかに書類を入れたカラーボックスをいくつものせていて、息子から「地震がきたら全部落ちるぞ」と言われていたのに。
防火のために風呂場の水を捨てないでおくとかはやっていましたが、家具は固定しておかなければならなかったんです。

■大工の私が一番後悔…[小千谷市・60代・男性]
・平成16年 新潟県中越地震を体験
私は大工をしているものですから、いわゆる皆さんの家の建築工事に携わっていて、いろんな面で家財道具の転倒防止というのを、盛んに言われてきたのを知っていたんです。でも、まさかその当時は夢にも思わなかった、こういう大地震というのは。
今回の地震では、まず家財道具の転倒がものすごかったんです。そういうのをあらかじめ転倒防止、たとえば食器棚やタンスとか、ほんのちょっと、わずかなことなんだけどしておけばまだ被害が軽かったなというのが、災害後にまず実感したこと。一番後悔しているといいましょうか、そんな感じがしました。

■実は無かった非常食の常備…[福岡市・60代・男性]
・平成17年 福岡県西方沖を震源とする地震を体験
防災訓練の時に、「おかゆ」とか「乾パン」が参加者に配られたんです。そうするとわれわれは、どこにでもそういうものが用意してあると思ってしまったんですね。だから、地震のときには、当然配られると思っていた。そうしたら無い。
区役所の人たちに聞いてみたら「区役所にはそういう備蓄はありません。消防が持っているはずです」と。
で、消防の所長さんに尋ねてみると「いやぁ、消防にそんなものはないですよ」と。それには、参りました。 やっぱり、自分たちで最低のものは備えておかなきゃならないんだなと思いました。

■スリッパではあぶない家の中…[輪島市・60代・女性]
・平成19年能登半島地震を体験
私の家は「一部損壊」でしたが、うちの中はそこら中の物が倒れて、足の踏み場もないほどでした。台所の食器棚は扉が開き、中の茶わんやコップがほとんど下に落ちて、床の上に踏み場もないほど散乱していました。
よく「防災グッズとしてスリッパを用意したほうがいい」なんて言いますけれども、ああいう時は、実際スリッパなんて、とてもじゃないけど使いものになりませんね。カンタンにはぬげない、底の厚いしっかりした靴をはかないと足を切ってしまいそうだったから、家族みんなで家の中でも長靴やズックをはいていました。

このほかにもたくさんの災害体験のエピソードが紹介されています。
東日本大震災は、過去に例のないほどの甚大な被害を及ぼしました。津波、原子力事故…誰もが口をそろえて「想定外だった」といいます。私たちが今できることを準備し、来るべく災害に備えておくことは無駄なことではありません。
もしかしたら次の災害の一日前は今日かもしれませんから…

引用元:内閣府 一日前プロジェクト
《NewsCafe》
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