[第13回]「就活失敗」による大学生の自殺(後編)男性に特有の問題? | NewsCafe

[第13回]「就活失敗」による大学生の自殺(後編)男性に特有の問題?

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さて、私がこうしたつぶやきをした時、まだ、警察統計の数値を見ていませんでした。

そこで、改めて統計数値を見てみると、「就活の失敗」による大学生の増加は、「男性問題」であることがわかりました。



大学生全体で見ると、513人で、前年比で15人の減少です。

就活失敗による大学生は倍増して46人ですが、男女別にすると、男性が40人、女性が6人でした。

前年と比較すると、男性は22人増加、女性は1人増加となっています。

自殺の男女比として全体で2:1となっていることを考慮しても、男性の増加は著しいものでした。



これをどのように読み解くのでしょうか。

いろんなことが複合的に絡み合っていることが前提です。

もちろん、「就活」がこれまで以上に厳しいでしょう。

しかし、企業規模が小さいところは人手が足りません。



リクルートの研究機構・ワークス研究所の調査では、10年度の新卒学生の求人倍率は1.62で、前年度の2.14からは急落しています。

「従業員1000人以上」の企業では0.55倍と狭き門です。

一方で、「1000人未満」の企業は3.63倍です。

規模の選択肢を増やせば、就職の可能性は広がります。



それでもなお、なぜ「就活失敗」が、男子大学生にとって自殺するほどの悩みになるのでしょうか。

一つの要因は、「保守化」傾向が上げられます。20代、30代の女性は専業主婦になりたい傾向が強まっています。

国立社会保障・人口問題研究所の「第4回全国家庭動向調査」によりますと、調査を開始した1993年以降、初めて増加に転じました。

女性は「競争」から降りたのかもしれません。そうなった場合、男性は「競争」から降りられなくなります。



かつて、ウーマンリブ運動や男女雇用機会均等法施行などによって、女性の社会進出をもたらしました。

しかし、相変わらずの男性社会のために、育児・介護休業の問題では女性ばかりが休暇を取っています。

仕事上の出世も、相変わらず女性はしにくいのです。セクハラやパワハラなどもあって、以前よりはよくなったものの、まだまだ女性にとっては働きにくい。



こうした情報が伝わることで、「男女平等」は幻想にすぎないことがわかってきます。

なおかつ、就職か厳しいとなれば、女性たちはそうした企業社会からの逃避を選択しているのかもしれません。



そうなった場合、男性は企業社会の中で競争せざるを得なくなります。

男性社会を維持していることが、結果として男性が苦しくなる要因の一つということができるでしょう。

成功体験が重なっていけば、「自己イメージ」を肥大化させつつも、現実に伴うこともあるでしょう。

しかし、失敗は、「自己イメージ」が崩壊していくきっかけとなります。



もちろん、「就活」までに、いろんな人生の選択肢を見るチャンスがあるのなら、どのような階層、どのような職業になってもそれなりに生きる術を分かっていることでしょう。

しかし、同質性の強いコミュニティにいた場合には、はみ出すことも許されず、似たような階層からはみ出ることは不安や恐怖を抱くきっかけになるのかもしれません。



何が「よき人生」で、何が「よき生き方」なのか。

それは、様々な人々が送って来た生き方の多様性を見ることで、選択の幅が広がり、その中から自ら選び取っていくものです。

「就活失敗」による大学生の増加は、そうした選択の幅を狭めてきた結果ではないかと思っています。(終わり)
《NewsCafeコラム》
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