[第8回] 結婚しない若者たち(後半)結婚に現実的な年収はいくら? | NewsCafe

[第8回] 結婚しない若者たち(後半)結婚に現実的な年収はいくら?

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恋愛ができるかどうかで結婚が決まるのです。

しかし、恋人がいないという人が増えています。

結婚相談所の「オーネット」のネット調査では、20~30代の未婚女性では63.3%、同世代の未婚男性では70%が「交際相手がいない」のです。これはマイクロミルの調査でもほぼ同じ比率です。



なぜ、結婚したいのに、恋人がいない男女が増えたのでしょうか。

草食男子の増加という説明をする人もいます。

恋愛エネルギーが弱く、自分から女性を誘えない男性、というイメージでしょうか。



しかしそれだけではありません。

ある30代前半の女性(フリーター)は

「結婚したいです。相手の希望年収は800万くらい。私も働いていいですよ。でも、家事はできませんが」

と話しています。



オリコンリサーチ(07年調査)によると、女性の年齢が上がれば、相手に求める希望年収もあがるのです。

「必要最低希望年収」は20~40代女性で「500~700万円」が1位で40.3%。2位が「300~500万円」で31.7%。3位が「700~900万円」で13%となっています。

年収の条件の壁の高さがネックになっているのです。



09年の「国税庁調査」によりますと、民間の平均年収は405万9000円(前年比23万7000円減)です。

平均賃金から想定すると、1位と3位は結婚できません。

ちなみに、最も結婚しているのは男女ともに年収が「400~500万」です。リサーチで2位の人たちが現実的です。

前出の女性の希望年収800万円は平均より2倍弱といったところです。

ちなみに、野村総研の調査では、20~49歳の未婚男性のうち、年収400円未満は83.9%というのが現実のようです。

一方で、総務省の09年調査で、10~20代の一人暮らし世帯の手取り収入が男女で逆転したのです。

男性が21万5515円、女性は21万8156円。1969年から調査ですが、初めての逆転となったのです。



男性で多い製造業の雇用や給与が落ち込んだことや、非正社員化が理由としてあげられます。

年収が高い女性が年収の低い男性と結婚し、年収をカバーするという形も、私の知り合いには増えています。

そう思えないと、ますます結婚から遠のきます。

結婚したい男性にとっては、女性の条件の厳しさが「生きづらい」原因です。



もちろん、年収だけを求めて、結婚するわけでもありません。

ある30代の男性は

「相手が専業主婦で、自分が働くという形で、自分が相手を養ってもいいですよ。でも、女性の側も、養われたければ、家事や家計のことでそれなりのスキルが必要」

と話しています。

男性は恋人と同棲していますが、結婚はしません。求めているスキルが相手にないのかもしれません。



恋愛結婚が増えているわりには、結婚に対して、恋愛以外の条件も多すぎる。そう思うのです。

結婚しない生き方も尊重しなければなりません。

しかし、結婚したいのに、できない男女が相当数います。

また、出会いが多すぎて、なかなか結婚できない人もいます。

オフ会や合コンを繰り返し、恋人はできるものの、続かないのです。



「無縁社会」だからといって、「非婚不安」があおられるのはよくありません。

しかし、結婚に必要なことは何でしょうか。結婚したい人たちはもう一度考えるべきです。

また、これまでは「家族」がセーフティーネットの一つでした。

しかし、「非婚」の時代では、「家族」に代わるものが必要となるのでしょう

。ただ、最も「生きづらい」理由は、周囲からの「結婚プレッシャー」ではないでしょうか。(終わり)

《NewsCafeコラム》
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